ゴールはマネジメント型店長となること 2


さて、マネジメント型店長に成長させるために、
どのようなシステムを構築するのか、
その手順をお伝えします


まず、ゴールを明確にします。
このゴールを定義しない企業さんが非常に多く見受けられます。

ゴールを設定していないので、どこに向かっているのか、
何を持って終了として、
何を持って完成とするのかが不明確なまま、
むやみに店長たちを走らせてしまいます。

マラソンもゴールを設定せずに走り出したら、
過酷なことに、悲惨なことになると思います。
メロスのように、ゴールに到達して力尽きてしまいます。

ゴールの設定ですが、
受講後にどうなっていて欲しいのかを先に決めます。
通常、マネジメント型店長に育成するためのセミナーを開催します。
カリキュラムを作成し、何度かに分けて受講してもらいますが、

技量は、マインドは、仕事への取り組み方はなど、
具体的にイメージし、そこをゴールとします。

技量では、ここのステージまでは会得して欲しい、
数値管理は、ここまで完璧に理解し実践してほしい、
マインドを整理し高める自己管理法を会得して欲しい、
モチベーションを新たに、仕事への取組む姿勢を改めて欲しいなど、
各個人別に設定します。

大事なのは、一律でゴールを決めないことです。

そもそものスタート地点が店長によって違います。
キャリアも、年齢も、性別も、
担当店舗も、店長としてのそもそもの技量が違うので、
それぞれにゴールを設定してあげます。

次に大事なことは、店長自らが、
ゴールを設定して決めさせることです。

会社サイドより、ここまでは取得して欲しい、
こうなって欲しいと、意図と要望は伝えますが、
店長自らが、会社の意向をゴールと感じない場合があります。

ですから、何度か話し合う機会を持って、
ゴールを店長自らが決める作業を行わせます。
設定したゴールを店長自身に納得させます。

ここで、会社の意向と店長の考えに、
乖離が発生する場合がありますが、
それが素晴らしいんです!

その乖離している部分が、店長本人と会社側の認識のズレです、
そのポイントが明確になることで、
より目指すべきゴールは明確になります。


店長はあることを考え、あることをテーマにして、
ゴール設定しようとしますが、
会社としてはもっと高みを目指してほしい、
そもそもの考え方と行動基準を変えてほしいなど、
両者の意図する箇所の違いが明確になります。

ですから、素晴らしいことなんです。

店長本人の意図がわからずに、
会社の意図を伝えても、
本人に取っては押し付けられた感じが残ります。


腑に落ちていないので、結果も出ません。
会社としても、評価できない状況が発生してしまいます。

ですから、共通のゴールを設定し、
店長に納得してもらうことは、
想像以上に重要なことです。

この過程を丁寧に、大事に扱いましょう。

次に、カリキュラムを設定します。
いきなりカリキュラムを作る場合もありますが、
各店長のゴールを確認し、意識の確認をしてから、
カリキュラムを創る方が、より大きな効果を発揮します。

店長に共通して伝えたい項目と、
もう少し上の段階の項目を入れ込み、
必要な要素を網羅します。

カリキュラムを作成する上で大事なことは、
数値管理などは、計算式をシッカリと教えることと、
その数値の裏に隠れている本質を伝えること。

マネジメント型店長の必須項目に数値管理があります。

その数値が現れる理由・原因と、対処対応方法を伝えることです。
数値管理だけは、基準以外の考え方などは挟ませないようにします。

数値の意味を会社の基準でシッカリと伝えましょう。

それ以外の項目を伝える際に大事なのは、
考え方の基準を明確に伝えることです。

ケーススタディを基準にして、考え方の基準を伝えるようにします。
間違いがちなのは、マニュアル化してしまい、
このケースの場合は、こう対応すると教化してしまうことです。

このやり方の弊害は、
学んだことに対しては対応出来ますが、
学んだケース以外は、
対応力が下がることにあります。
ある方向の対応しか習っていないので、
教化されたケース以外には対応出来なくなる場合があります。

ですから、必要なことは考え方の基準を教えることです。

何を基準に、何を守るために、どのような優先順位で、
判断し対応するのかを伝えます。

この考え方の基準が、全ての判断基準となります。

このポイントさえ間違わなければ、
現場ではどのような対応も出来るようになります。

店長個人の特性を活かしながら、
会社の基準も遵守出来る店長となります。


カリキュラムを組む際に大事なのは、
考え方の癖を正すことです。

ある具体的なテーマを事例にして教育をしていきますが、
そのテーマに対する見解が、店長ごとに違います。

似ている部分も多くありますが、
通常は見解も対応の仕方も違います。

ここで大事なことは、答えを伝えるのではく、
何故、あなたはそのような対応が良いと感じるのか、
その理由を聞き出すことです。

店長なりの理由が必ずありますから、
その理由を聞き出さずに会社側の意図だけを伝えると、
反発してしまい、伝えた通りのことを行うことは稀です。

店長本人は、自分の考え方の方が正しいと、
頑なに思っていますから、
会社が伝えた間違っていると感じる方法は行いません。

店長は、会社が伝えた方法を
「間違った方法」と捉えています。

極端に聞こえるかもしれませんが、
これは事実です。
多少の違いはありますが、多かれ少なかれ、
そのように感じております。


次に、教え方、伝え方のポイントですが、
ティーチングとコーチングを使い分けます。

既にご存知と思いますが、簡単にご説明すると、
ティーチングは答えを提供すること、
コーチングは答えを自ら考えさせ導きさせることです。

質問をして、考えさせて、気付かせる、
この手法をコーチングと言います。


絶対にこのポイントに関しては、
他の要素を入れてはいけない、
という場合はティーチングで教えます。

これに関しては、どのように考えるべきかを、
感じさせる場合は、
コーチングで伝えます。

ティーチングで教えて、コーチングで伝えます。

ここで、大切なポイントをお伝えしておきます。
ある程度技能的に習熟するまでは、
ティーチングで教えるほうが、
会得は早くてスムーズです。


教化が必要な段階の店長には、
ティーチングの方が現実的です。


正直にお伝えしますが、
現在オペレーション型の店長の方々には、
コーチングは伝わらない場合が多いです。

こちら側がコーチングを使えるほどに、
まだ成長していない店長には、
ティーチングで伝えるほうが、
お互いにとって利があります。

オペレーション型店長は、他観点が出来ない傾向にあります。
ですから、物事を判断する時に、正しい・間違っている、
この2ポイントだけで判断してしまいがちです。


ですから、
正しい答えはこれ!
理由はこれ!
やり方はこう!と伝えてから、
それぞれの店長の意見を聴きます。

先ほどお伝えした内容と違うと感じるかもしれませんが、
店長の段階、レベルよっての対応法の違いを、
ここではご説明させていただいていますので、
本質には違いがありません。

ここでの大切なことは、
それぞれの店長が伝えてきた考え意見を、
否定するのではなく、
一旦は素直に肯定することです。


Yes But No の手法を取ることです。


そういった観点も、考え方も、そのようなケースもあるよねと、
こちら側が考え、感じ、一旦店長の話を受けとります。

その後、でもね、この場合はね、仮にこうだったら、と、
正しい考え方にスムーズに移行できるように、
気付きを促し、自分から考えたことのように感じさせて、
正しい、望むべき方向に導きます。

ちょっとしたコツが必要ですが、
肯定から否定し、修正へと導きます。

この伝え方のテクニックを活用できるか否かで、
店長の成長度合いが違ってきます。


教えること、伝えることも大事ですが、
実は教え方、伝え方が最も重要です。

この伝え方の訓練方はまた違う機会にお伝えします。


今日は、ここまでにします。




確実な価値と、豊かな成果のために
2018年10月30日(火) No.283 (人財関連)

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