組織で闘う、組織で勝つ! その2


さて、昨日の続きです。

本題に入る前に、チームとグループの違い、ご存知でしょうか?
似ている概念ですが、明確な違いがあります。

グループとは、集合した個人それぞれが能力を発揮し、
成果を出す集まりのことです。

潜在的な能力を活用し、成果を出す、
言うなればあくまでも個人の集まりをグループと言います。

グループを形成し、ある程度の成果を出すためには、
それぞれの高い能力を必要とします。

一方チームとは、メンバーの連携と協力により、
相互理解と相互援助によって、
課題をクリアしていく集団をチームと言います。

チームでは、構成メンバーが共同体として機能し、
共通の目標と目的を実現するために活動を行うことで、
結果と成果を生み出します。


ですから飲食業において、
グループでは望む成果を出しにくくなってしまいます。

優秀な店長がいるグループは優秀な成績を収め、
その店長が移動になった途端に成績が下降することは、
よくあることです。

飲食業においてはチームを組む必要があります。
ある特定の個人に成果を左右されることなく、
チームとしての強さを共有する。

特定のメンバーが入れ替わっても、
成果に大きな差が出ない。
新メンバーはすぐにシステムに適応し、
望む成果を出せるようになっている、
これがチームとしての在り方です。

ですから、飲食業においてはそれぞれの店舗を、
一つのチームとして管理することが、
望む成果を引き寄せる要因となります。


では、今日の本題に入ります。

3 情報共有

チームを効率よく機能させるためには、
情報共有が必須条件となります。
常に情報を共有し、眼前の課題を速やかに解決することが、
必要になってきます。

情報共有を効率よく行うことで、
相互理解と相互援助が可能になり、
個人のスキルに依存しないでチームとして
課題解決を図れるようになります。

情報の流れが停滞すると、そこから離反を招いてしまいます。
行動の一貫性が失われ、無駄に時間がかかってしまい、
効率よく成果を引き寄せることが出来なくなってしまうばかりか、
構成メンバーの関係性にも悪い影響が出て来ます。

また、情報は精度と鮮度を必要とします。
その情報は信頼できる発信源からの物なのか?
その情報は鮮度の高い情報なのか?
この二点が重要になります。


発信源の特定ができない、もしくは信頼の置けない情報源であれば、
情報に対する信頼度が下がり行動を起こす決断に至りません。
また、鮮度の悪い情報であれば、
既に対応する事態に変化が起きている場合もあり、
対応する施策が的外れとなる場合があります。


メンバーに手渡す情報は、必ず精度と鮮度の確認をしましょう。


4 数値目標を明確にする

チームのメンバーには、明確なゴールを提供する必要があります。
私は常に、数値目標を額と率の両建てで提供するようにお伝えしております。

これは、売上と最終利益の関係から、
額と率を、それぞれを明確にするようにお伝えしております。

目標とする月商の額は幾らで、対前で何パーセントなのか
その場合の利益率は何パーセントで、利益額は幾らなのかを、
それぞれ明確にするようにお伝えしております。

ご存知のように、飲食業は売上の大部分が支払いなるビジネスモデルです。
最終利益を確保することが、ビジネス上の目的となります。

ですから、利益確保が非常に重要となります。

仮に、売り上げは目標達成していなくとも、
利益額が達成されていればOKとします。

逆に、売り上げ目標は達成されているが、
利益率が悪く利益額が未達成の場合は駄目出しをします。
達成されている売り上げが目標額を超えており、
利益率は未達成であるが、
利益額を確保している場合はOKとします。

一番大事なのは、利益の確保です。
利益は勿論売上に連動しますが、率と額は連動しません。

利益率は未達成でも、必要な利益額を確保出来ていれば、
キャッシュフロー上問題の無い経営が成り立ちます。


常に、売上目標と利益率と利益額を、
明確に提示するようにお伝えしております。


5 効果と効率化

店舗運営で必要なことは効果を効率良く生み出すことです。
効果を狙うあまりに、顧客マインドをないがしろにすることは、
絶対に避けなければならないこと、
全ての経営者はご理解していらっしゃると思いますが、
従業員マインドを置き去りにしている経営者を、
見かけることもしばしばです。

効果を出すためには、
スタッフの満足度を上げる必要があります。
最前線で闘うスタッフのモチベーションが低くては、
望む効果は達成されません。

そこで、必要になってくることは、
効率よく作業を行うことです。

今行っている作業はどのような効果を狙ってのことなのか、
望む結果と効率的に連動しているのか、
どのような成果を得ようとしているのかなど、
一つ一つ再検証する必要が有ります

以前、サポートさせて頂いた業態に、
チェーン展開していたイタリアン業態がありました。

店舗調理を基準とした厨房オペレーションを組んでいましたが、
セントラルキッチンを持っているのにも関わらず、
非常に店舗での作業が多く、
決して効率化はされていませんでした。

現場のスタッフは不満を抱え、
疲弊し会社への不信感も持っておりました。
チームとして、有効に作用していない状態でした。

原因は、セントラルキッチンの効率化を
優先してしまっていたからでした。
本来、店舗レベルでの効率化を図ることが目的のセントラルキッチンですが、
セントラルキッチンへの投資が重く、運営コストを投入できずに、
店舗へシワ寄せが来るような状態の食材が供給されていました。

例えば野菜はカット野菜のみで、煮込み作業は店舗で、
トマトソースも味がしっかりと入った状態ではなく、
ベースの味付けのみ、店舗で味を入れる始末、
しかもポーションが大きく、
ロスが多く発生している状態でした。

このような状態でしたので、店舗の仕込み作業は多く、
クオリティのバラつきも、ロスも頻繁にみられる状態でした。

そこで、本来の目的は何か、
今すぐ改善できることは何か、
正しい効率はどのようなことで、
望む効果は何なのかを再検証したところ、
2週間で全ての問題は解決しました。

効果と効率化を正しく定義することで、
チームとして弱点をカバーしながら、
効率的に効果を発揮するッことが出来ました。

効果と効率は非常に重要となってきます。

6 モチベーションの向上

最後に、スタッフ個人のお話しです。
ここまでは仕組み化のお話しですが、
結局は運営するスタッフ一人一人のモチベーションが如何か、
と言う課題に到達します。

さて、話を進める前に
モチベーションとテンションの違いをご理解しておりますか?

良く目にする光景に、社長が元気な店長を指して、
「彼はモチベーションが高くていいねぇ」と、評される場面を見ますが、
ほぼ間違いなく、この状況はモチベーションが高いのではなく、
テンションが高いことがほとんどです。

こういった店長さんは、
社長がお店に居るときはテンションを上げて、
しかもほぼ間違いなく、無理してテンションを上げて、
社長が店を出た瞬間にテンションが下がり、
モチベーションも下がっております。

テンションが高い状態とは、
言うなればハイになっている状態です。
一見すると元気は良いように見えますが、
車で例えるなら、
エンジンを必要以上にカラぶかししている状態です。

ガソリンを無駄使いしているので、
すぐにガス欠になってしまい、
そのあとはもう想像がつくと思います。

一方モチベーションが高い状態と言うのは、
望む結果にコミットメントしている状態を言います。


現在の現状がどうであれ、
売上目標と利益確保に絶対的にコミットメントしている状態です。

そういう店長はほとんど弱音を吐きません。
常に可能性を信じ、出来ることは何なのかを模索しています。

ですから、テンションは決して高くはないですが、
ハートは燃えており、頭はクールになっております。


チームで効果的に成果を勝ち取るには、
優れたリーダーの存在は不可欠です。
まず、リーダーのモチベーションを高めることが、
最も重要になってきます。

そのためには、昨日お伝えした、
目標と目的を相互理解することが大事になります。

会社幹部と店長、店長と現場スタッフ、
それぞれがそのステージにおいて相互理解をし、
望む結果にコミットメントしている状態が維持されていることが、
最も大切となってきます。

モチベーションが常に高い位置で構築されていれば、
単月で望む結果が出なかったとしても、
店長の心が折れることはありません。

経営者であるあなたも、心が折れることなく、
店長を信頼し続けることが出来ると思います。

常に店長のモチベーションに注意を払い、
効果的にフォローすることが大事になってきます。

原田メソッドでは、ストロークを与えると言います。
ストロークには4種類あり、
プラスのストローク、マイナスのストローク、
心理的なストローク、身体的なストロークこの4種類です。

これらを使い分けすることで、
店長をはじめ幹部スタッフも、現場スタッフも、
モチベーションを高めることが可能になります。

ストロークの細かい解説は又何れかの機会にさせていただきます。


組織で闘い、組織で勝つためには、
チームワークは必須条件ですが、
チームワークの質を高めることは、
決して難しいことではありません。

ほんの少しの気付きと行動を変化させることで、
十分可能となります。

常に思考と行動の質を高める意識を持ち続けることがポイントです。

今一度、チームワークの質を検証してみてはいかがでしょうか!




確実な価値と、豊かな成果のために
2018年10月10日(水) No.277 (成功法則)

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