今日のおすすめは何ですか? その1


昨夜、もう25年お付き合いさせていただいている、
人生の大先輩であり、ビジネスパートナーの方と、
久しぶりに会食をする機会がありました。

オッサンばかり3名で、仕事の話も盛りあがり、
たわいのない話を繰り返し、
先輩方は、あそこが痛いだの、検査結果がどうだっただのと、
定石通りの話題を展開しておりました。


どこに行こうかとなって、目の前に新丸ビルがあったので、
5階にある、ある気軽なお店に行きました。

そこで、おすすめは何? と、先輩が聞いたところ、
若いスタッフは、ちょっと困惑気味できょとんとしながら、
「当店のおすすめは全部です、どれもおすすめです!」と、
なんとつまらない、がっかりさせる答えが返ってきました。


それを聞いた先輩は、一瞬説教でもしたいかのようでしたが、
そこは大人の対応をされて、
メニューを食い入るように眺めておりました。


しばらくたってから、先輩が、
「ところで須田ちゃん、さっきのおすすめなんだけど、
 実は、あれ絶対にやってはダメなパターンじゃない!
 須田ちゃんは普段どうやって指導しているの?」と、
突然話題を振ってきました。


実は、このおすすめは飲食業にとっては、
売り上げを作る以上に、
非常に大きな意義を含んでいる行為です。

このおすすめが恒常的に出来るか出来ないか、
上手くおすすめ出来るか出来ないか、
実際に購入されるかされないか、
大きな差が産まれます。

おすすめをする店としない店、
しているけれど、上手い店下手な店、
買ってくれる店買ってくれない店に
分かれます。

さて、この差はどこから来るのでしょう。
考えて、感じてみてください。



答えをお伝えする前に、過去の事例をご紹介します。
以前、鹿児島で海鮮和食店をプロデュースしました。

その時に、勤めて20数年というベテランの、
50代の主婦のパートの方に、
おすすめの効果的なやり方をお伝えしたところ、

「初めて何をどうやっておすすめしたら良いのかがわかりました!
 今日からバンバン売っていきます!」

そのベテランのパートの方、
なんとランチでおすすめばかりして、28食も売り切りました。
ランチ全体の4分の1、一人で25%を売り切りました。

その日は、お店のスタッフと一緒に賄いをいただきましたが、
おすすめに関しての成果と、
自分がどんなに気分が良かったのか、
お客様に喜んでいただいた感動を、
勝手にどんどんシェアしていました。


彼女の嬉しそうな表情を今でもクッキリと覚えております。



さて、効果的なおすすめの差が出来てしまう原因の話ですが、
その差は、おすすめする側が、
勝手に創造してしまったマイナスの心理が原因です。


実はスタッフは、自分がおすすめしたものが、
お客様の好みに合わないこと、拒否されること、
文句を言われることに、恐怖を感じております。

責任を取りたくないと考えております。

又、おすすめすることを、
押し売りをしているようにも感じており、
そんなことはしたくないと無意識に感じております。

このマイナスの感情がある限り、
おすすめを積極的に行うことも、
成果を上げることもありません。


あなたのお店の店長さんも、おすすめしてきてと、
アルバイトさんにお願いしていると思いますが、
そのお願いしている店長自身は、
積極的におすすめをしているでしょうか?

今度、観察してみてください。
店長はおすすめしていますでしょうか

おそらくしていないと思います。

アルバイトさんには指示を出しますが、
自分では滅多にはいかないと思います。



冒頭にご紹介した店舗の例ですが、
このお店でも店長はパートさんアルバイトさんに、
積極的におすすめをしてくださいと、
いつもお願いしていると豪語していましたが、
営業中の店長を観察していると、
気の合う常連さん以外には、
全くおすすめなどしていませんでした。

本人はしなくとも、アルバイトさんには強要する。
フェアではない状態でした。


又ある企業では定期的にミステリーショッパーを導入し、
店舗調査を行っていますが、
そのミステリーショッパーの報告書にかならず毎回、
「効果的なおすすめはなかった」と、
指摘されているにもかかわらず、
何年も対応していない企業もありました。



では、なぜおすすめが出来ないのでしょう?
おすすめをしていたとしても、
売上に直結しないのでしょう?


理由は明確です。

効果的なやり方を知らないから!
おすすめをする本当の理由も目的も知らないから。
おすすめの重要ポイントも、言葉も動作も知らないから。
おすすめを行う際の台本もないから。
当然、おすすめのトレーニングも実施していないからです。


要するに、理由も手法も台本もトレーニングも、
何も無い状態です。

その状況でアルバイトさんに、
おすすめをしてきてと、お願いすること自体、
非常に理不尽なことと思いませんか?



これではアルバイトさんが、おすすめをして!と、
店長に言われても、
やらない、出来ないのは、お店側の責任です

さて、嘆いてばかりいてもしょうがないので、
効果的なおすすめの仕方をご紹介しましょう。


その前に、お客様はおすすめに対して、
どのように感じているのかを検証してみましょう。、


まずは、そこから始めましょう。

何故かというと、おすすめ自体を邪魔な行為と、
感じている店長や社長がいます。


ですから、お客様はどのように感じているのかを、
改めて検証する必要が有ります



ここで、質問です。

初めて利用したお店で、あなたは、
一度でも「このお店のおすすめはなんですか?」と、
聞いたことがありますか?


おそらくほぼ全ての方が、有ると答えると思います。

次の質問です。

あなたは、普段から頻繁に利用するお店から、
一度でも、「今日、い〜い○○がありますけど、いかがですか?」と、
言われて、じゃあ〜と、注文したことがありますか?

これも、おそらくほぼ全ての方が、有ると答えると思います。


では、最期の質問です。

初めて利用したお店で、あなたは、
一度でも「あ〜 この店は、○○がおすすめなんだ!」と、
瞬時に理解し、注文したことがありますか?

ほぼ全ての方が、無いと答えると思います。


おすすめをする理由は、以上の顧客心理があるから、
必ず行わなければならないんです。


お客様は、一番良いものを体験したがっています。
お客様は、常連さんのように接してほしい、
特別扱いされたいと感じています。
お客様は、お店のことはわからないので、
なんとなく不安を感じ、一番良いものを頼みたいと感じています。


実は購買心理には、面白い仕掛けが隠されています。
全ての方が感じるマイナスの心理があります。

それは、何かを欲しいと欲求が発生した時に、
瞬時に発生してしまう三つのマイナスの感情があります。


その感情を突破しないと商品は売れません。

その心理があるので、食べログのようなサイトが発生し、
成り立っています。

その三つの心理とは、

1. 損したくない
2. 後悔したくない
3. 騙されたくない

です!

この感情が発生するから、
食べログなどの口コミサイトを検索して、
お店を決めているわけです。

損しないように、後悔しないように、騙されないように、
お店を吟味しています。

なので、あなたがやらなければならないことは、

絶対に損させません!
後悔などさせません!
決して騙してなどいません!  と、
お客様に説教的に誠心誠意アピールすることです。

その誠心誠意のアピールが、
一押し商品をおすすめする最大の理由です。


これが理解できれば、アルバイトさんも、
自信を持っておすすめ出来るようになります。


しかも、ゲーム感覚で、楽しんでおすすめ出来る様になります。

売りたい商品が、バンバン売れるようになります。
利益を取りたい商品も、在庫処分したい商品も、
バンバン売れていきます。


アルバイトさんも楽しんでお客様に売りに行きます。
恐怖も後ろめたさも感じることなく。


その具体的な手法と、トレーニング手法があります。
きっとこの手法を知りたいと、
手に入れたいと思ってることと思います。


これを手にすると、最初はおっかなびっくり、
数回経験すると、楽しくなり、
完全に会得すると、とんでもない自信がスタッフさんにつきます。

面白いことに、ほぼ全員の方がそうなります。

私が開発した手法ですが、非常に興味深く感じています。

その具体的な内容は、次回のブログで公開します。


確実な価値と、豊かな成果のために
2018年08月20日(月) No.269 (サービス関連)

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