効果的なスタッフ教育とは その2


嬉しい経験から感じたことの続きです。

トレーナー育成トレーニングということを、
お話しさせていただきますが、
今まで、あなたの会社では教育法を、
スタッフに教育したことはございますか?

本気で、トレーナー育成トレーニングを
導入したことはありますか?

スタッフの成長がそのまま会社の成功に直結することは、
どの社長さんもご存知ですが、
何故か、本気でスタッフの育成に向き合うことに、
トレーナー育成に向き合うことに、
抵抗する方がいます。

何故、スタッフの成長を強く望みながら、
一方ではスタッフの育成に抵抗する方がいらっしゃるのか、
何人かの方に理由を聞いたところ、
驚愕の答えが返ってきました。

その答えとは、
「どうせすぐ辞めちゃうから、教育なんてしたって無駄」
「どうせ何も変わらないから、お金をかけるだけ損」
「今までもいろいろやったけど変わらないので、もうやらない」
「成長なんかしたら、他の会社に引き抜かれるから、今のままでいい」
などでした。


私には驚愕でしたが、もしかしたら、
あなたもこのように感じていますか?
違っていることを望みますが、
同様に感じてしまう経験もお有りなのも理解できます。

私は店舗運営を、よくチームスポーツに例えますが、
チームのメンバーが、しかもキャプテンが、
能力も体力もゲーム戦術も理解できない下手な選手だとしたら、
そのチームは勝利を手に出来ますか?
チームとしてまとまることが出来ますか?
強いチームを作れますか?

結論は、絶対に無理ですよね!

でも、現実の経営の場面では、
実力の無いスタッフを、
適任者が他にいないからという理由で、
店長にしてしまします。

これは誰にとってもプラスとなることが無い、
勝利を手に出来ない選択と行動です。

会社も、店長本人も、お店のスタッフも、お客様も、
誰も得をしません、勝利を手に出来ません。


でも、実力不足の方を店長に任命してしまうのは、
任命しなければならない理由が存在しているからです。


前任者が退職したから、新店を出店するからなど
理由は色々ですが、
兎に角、店長と言う役職者が必要だったからです。

私は、職務に人を充て込んではいけない!
人に職務を充てなさいと教わりました。

店長職という職務に誰かを充て込めなければならないから、
とりあえず、彼にしよう!  
これが、職務に人を充て込む手法

彼は成長してきたから、店長に任命し、
もっと実力を発揮できるステージを用意しよう!
これは、人に職務を充てこむ手法。

似ていて非なることです。


飲食業では、何故か職務に人を充て込んでいます。
理由はただ一つ、人材不足だから。

現在ある企業のリクルートを継続的にサポートさせて頂いております。

言うなれば、リクルートとは人材の仕入れです。

優秀な商材を仕入れるのと同様に、
人材も優秀な方を仕入れないといけません。

リクルートの件はまた何れかの機会にお話ししますが、
さて、ここで前回紹介した、社長がしびれを切らして、
いっそクビにしようかと思っていた店長が、
たった4週間で見違えるほどの成長を遂げた理由を公開します。

何をしたのか。
それは、考え方の癖を治しました。

私は、30代のころ苦い経験をしております。
アルバイトさんにオープン前研修をした時の経験です。

神奈川県のお店でしたが、7日間にわたり、
アルバイトさんにオープン前研修を行いました。
店長以下16名のスタッフさん達でしたが、
研修はすこぶる順調に推移し、無事オープンも迎え、
業績も非常に好調でした。

三か月目までは!

三か月を過ぎたころに、アルバイトの女性3名からほぼ同時期にメールが来て、
「お店が面白くない、あの店長とは仕事が出来ない、辞めたい」と、
同じ様な内容の連絡が来ました。

それぞれに電話をして話を聞くと、
研修では、須田先生からこうやりなさいと教わったことを、
店長が勝手に変更し、トラブルが発生している。

それまでは問題がなかったのに、変更してからトラブル続きだ。
元に戻すようにお願いしても聞いてくれない。
このようなことが発生していたようです。

その場は対応をして、社長・店長・アルバイトリーダーの方と話し合い、
事なきを収めましたが、私にとっては大きな課題でした。

折角回しやすいシステムを作り上げ、同意も得て理解もいただき、
業績も順調でありチームもまとまっていたものを、
ある日店長が覆したという事実。


正直、ショックでした。

そこで、メンターである心理学の先生お二人に相談したところ、

「それは、考え方の癖です。
癖ですから知らず知らずのうちにやってしまいます。
癖は、癖だと認識できれば、修正は出来ます」と、
同じ答えが返ってきました。

これは、全て深層心理、潜在意識の成せる業であると、
教えてくださいました。

現在行っていることの状況がどうであれ、
昨日と同じことをするように、
プログラミングされているのが、
深層心理、潜在意識だと。

その店長は、三か月間の行動でも、深層心理が変化せず、
以前の癖を取り戻してしまっていたということです。

それは、三か月間不本意なうちに、
嫌々ながらに作業を行ってきたことが原因でした。

同意を得ていたと思っていた私のミスでした。

その経験から、その後はメンターの心理学の先生に指導を仰ぎ、
心理学的な手法を導入したトレーニング手法に、
バージョンアップさせました。


そこで、店長教育に限らず、スタッフ教育で最も大事なことは、
相手の話を何の先入観を持たずに、徹底的に聞くことです。

横浜のこの店長にも、徹底的に話を聞き出しました。
一切の論破をすることなく、共感と共鳴を返しつつ、
しかし、同意はすることなく、徹底的に話しを聞きました、
想いと感じていることを引き出しました。

数回に分けてほぼ3日間、一回に3時間から4時間程度、
じっくりと話を聞きました。

3日を過ぎると、面白いことが起こり出します。
自己説得が始まりだします。

自分が話していた内容が、間違いだったこと、
自己中心的であったこと、
アルバイトの意見を無視していたこと、
顧客第一主義ではなかったこと、
会社の意向には沿っていなかったことなど、
自分自身の考えと行動に対して、
不正解だったことを認め、
猛省をして行動を変化させることを、
自己説得し出します。

新たな扉を開く覚悟が出来てきます。

人間は自ら発した言葉は忠実に守るという、
意識というか習性があります。

この心理を活用して、
声に出して宣言させるやり方をとる場合もありますが、
この時の店長がまさしくこれでして、
「先生、これからどうすれば、何をやればこの店は良くなりますか?」
「教えてください。このままでは悔しいです」と、言い出しました。


私はメンターの先生に、
「須田さん、人は変わらないですよ!
変えようと思っても、変わらないですよ!
 ただし、本人が変わりたいと、心底思ったならば、
変わりますよ!」と、教わりました。

深く深く実感している言葉、教えです。

自ら変化することを覚悟したこの店長のその後は、
みるみる成果が出て来ました。


自分が理想とするお店の状況を具体的にイメージしていただき、
スタッフとはどのような関係を構築したいのかを明確にし、
お客様の理想像と関係性の種類を具体化し、
業績改善の手法と時間軸を書き出してもらいました。

色々と手法を導入しましたが、その中でも最も効果的だったことは、
スタッフ全員の前で、店長自ら宣言して頂いたことです。

今までの数々の理不尽に対しての、心からの謝罪と猛省をしたこと、
これから具体的に何をどうしたいのか、
明確なゴールの設定などを、宣言していただきました。

店長も泣きながら、聞いている他のスタッフにも自然と涙があふれ、
素晴らしい時と体験を共有できました。


この時は、業態変更に伴う改装前でしたので、
解体工事までの一か月間でまず、基礎となる売上を作りました。

リニューアルオープン後、業績は急改善し、
対前180%までの成果を上げました。


このように、変化を起こさない人材はいないと私は考えています。
変化のやり方を知らない方が沢山いるだけ。
変化を起こさせる手法を知らないだけ。
変化させるためのトレーニングを施されていないだけです。


人材から人財へ、良く用いられるフレーズですが、
あなたのお店ではいかがでしょうか?

活用できていますでしょうか?


最後に、社長が最も陥りやすいミスは、
「それは以前もやったけど、上手くいかなかったよ
ウチのスタッフには無理だったよ」


と、一度、もしくは数度のチャレンジで、
変化するチャンスもステージもスタッフに提供せず、
社長自らが変化することの、障害となってしまうことです。


前出の店長の例も、最初に変化を望んで、
真っ先に変化したのは、実は、社長でした。

社長が描いている店長像を変化させないと、
店長は変われない、変わらないと伝え、
社長とじっくり4時間イメージの共有を計りました。


その結果、店長は変われました。


変化を意図的に起こしたいのなら、
社長であるあなたから、
先ずは、変化しましょう!


変化を起こすための具体的な手法は、
又、いずれかの機会にお伝えします。



確実な価値と、豊かな成果のために
2018年07月31日(火) No.268 (人財関連)

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