夫婦の危機を招いた恐怖のパスタ


もしかしたら、あなたも同じミスを犯しているのではないでしょうか?
だとしたら、私のように、夫婦の危機を招くかもしれませんよ。

私は、昨年の蒸し暑い6月に、クライアントと商談をしていました。
秋にオープンする予定の新業態の打ち合わせです。


先方の社長をはじめ、幹部スタッフが4名ほど、
非常に煮詰まった会議となり、
気がつけば5時間以上も打ち合わせをしており、
すでに19時を回っていました。

遅くなったことを気遣っていただいてか、
普段は食事を提供しない社長が、
なんとその日は、食事をご馳走していただくことになりました。


ということは、会議はまだ続くということでもあります・・・。


しかし、ここで、あることが起きて、
なんと、会議は中断となってしまいました!

そのあることとは、実はこの食事、
社長が意図的に仕組んだ試食会だったんです!

夏メニューに検討中の商品を、
私に試食させることが目的の試食会でした。

そのときの商品はパスタが3品でしたが、
その中の1品が大問題でした。

商品開発にありがちな間違いの全てを,
凝縮しているような商品でした。

社長が、「須田さんも一口どうぞ」と、
非常に怖いお言葉を投げかけられました。

覚悟を決めて、一口。

そのパスタが、想像以上に酷かったのですが、
そのあまりの酷さに、
私は、首をひねってしまったところ、


「ほら、須田さんも首をひねっている!
 やっぱり不味いんだよ、このパスタ!」


想定外の社長の雄叫びでした。


下の写真はその時のパスタを再現したものです。
「豚バラとキャベツのさっぱり和風パスタ」 だそうです。





ね、美味しさが感じられないと思います。
伝わりますでしょうか?

ネーミングも問題ですが、今回は、そこはさておき。


妻に試食してもらったところ、
あからさまに機嫌が悪くなり、

「これ、ほんとにパスタ?」
「上海焼きそばじゃないよね! 見た目、焼きそばっぽいけれど!」
「本当に商品なの? 本当にお客様に提供するつもりなの?」

矢継ぎ早に、詰問が飛んで出来て、
こんなものを試食させるなと言わんばかりに、
鋭くにらみ返してきました。

こんなパスタを食べるくらいなら、
離婚するぞ、という勢いで、にらまれました。


夫婦の危機を招くパスタって大問題ですよね。


その時の味の解説をすると、
まず豚肉がとんでもなく固く、しかも臭い!
次にキャベツがベチャベチャであり、なのに甘くない。
そして、全く旨みを感じないばかりか、
塩の角が立っており、
しかも、豚肉の臭みが全体に回っており、
とても人様に出せるようなものではなかったんです。

正直に話します。

実は、部屋にそのパスタが運ばれてきた瞬間に、
すでに全てが解っていました。

皿を一目見て、全てを理解しました。
商品が運ばれてきた瞬間の、
酷い豚肉の獣臭を感じて、
全てを理解しました。


そこで、調理長にこのパスタの調理法を確認したところ、
案の定、やってはいけないことを、
しっかりと全てやっていました。


実は、これをやってしまう原因が、
効率の良い調理法という概念にあることに、
私は気づきました。

と同時に、もしかしたら多くの調理スタッフが効率という名のもと、
同様の間違いをしているのではないか、
ということにも気付きました。


そこで、今日お伝えしたいことは、
商品開発には3つの重要なポイントがあるということです。

それは、
1 食材の特性を知る
2 塩の使い方を知る
3 正しい調理法を知る

この3つです。

あなたは食材の特性を理解していますか?

今回の間違いは、肉の扱い方を知らないことに最大の原因があります。

肉が持っている臭みを取り除かなかった点、
肉の繊維を固めてしまった点、
肉の正しい熱の入れ方を知らなかった点、この3点です。

次に塩の正しい扱い方を知っていますか?

今回の間違いは、塩の扱い方を知らなかった点に、
味がボケた原因があります。

塩で旨味を引き出すことが出来なかった点、
塩味の決め方を知らない、この2点が原因で、
ボケた味の商品となってしまいました。

次に、あなたは正しい調理法と調理器具の扱い方を知っていますか?

今回の間違いは、フライパンの扱い方を知らなったことが原因です。

フライパンの正しい扱い方を知らない点、
フライパンを使った時の正しい調理法を知らない点、
この2点を知らないばかりに、非常に残念なパスタとなってしまいました。

たったこの3つのポイントを注意することで、
各段に商品は美味しくなります。

下の写真は、私が正しい方法で調理したパスタです。
早速、口直しに妻に試食してもらいました。





ステキな笑顔です!

夫婦の危機脱出です。
同時にプロとしての面目躍如です。


因みに、それぞれの皿の豚肉を取り出してみました。
こんなにも違いがあります。
グラム数は勿論同じ、カットの仕方も同じですが、
ここまで違ってきます。





私は常に、
飲食店では、美味しい料理はいらない!
売れる商品を提供しましょう!と、言っています。

売れる商品の条件に、美味しいが含まれますが、
あくまでも、売れる商品の開発に、
もっと意識を集中してください。

美味しい料理を作るという概念を捨てて、
ブレがなく、再現性の高い商品を開発して下さい。


事前の仕込みを大切にしに、
表現する味の方向性を明確にして、
再現性の高い商品を作ることに、意識を注いでください。

それができてこそ、本当に効率の良い調理が可能になります。


あなたは、これからも間違った調理法の料理を提供しますか?
それとも、お客様が殺到する売れる商品を提供しますか?



今のままでは、夫婦の危機がやってきますよ!(笑)
そこまでいかなくても、お客様には確実に切られます!



PS 明日、正しく商品を開発する簡単な手法をお伝えします!


確実な価値と、豊かな成果のために
2018年07月17日(火) No.263 (商品関連)

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